先代から受け継いだ立派な仏壇。しかし仏壇の中にたくさんの位牌があって、管理しきれないことってありませんか?
今回は位牌をどう取り扱ったらいいのかについての疑問を解説していきます。
仏壇に位牌はいくつあってもいい?
3代も4代も続く家系の場合、位牌が複数残されていることが多いですし、中には明治時代以前に作られた位牌が残されているケースもみかけたことがあります。
結論を言うと、仏壇の中に位牌がたくさんあっても問題はありません。
しかし位牌を何本も置くと、スペース的に厳しくなってきますし、お勤めもしにくくなってしまいます。
『代々続いてきたものだから下手に触りにくい』と思うかもしれませんが、誰かの代で整理をしないと膨大な量になり、整理が遅くなればなるほど後世への負担が大きくなるばかりです。
位牌が置けない位の量になっている場合は、早急に位牌の整理を考えてもいいと思います。
仏壇にある位牌の整理の仕方
位牌を整理したい場合は、まず初めに現在法要を行っている人の位牌と行っていない人の位牌に分ける必要があります。
現在も法要を行っている人の位牌を無くしてしまうわけにはいきません。
50回忌で弔い上げ(とむらいあげ、といあげ)をして、それ以降は法要をしなくなるのが一般的ですが、最近では17回忌や23回忌、33回忌等で弔い上げをすることも多くなってきました。
明らかに『この方はもう法要を行っていないな』という方の位牌をお寺や仏壇店等にお願いして供養、処分することになりますが、そのまま処分してしまっては戒名等の記録が残らなくなってしまいます。
そこでお薦めの方法が、位牌を処分してしまう前に過去帳に記載しておく方法です。
過去帳の説明を簡単にすると、過去帳上部に書いてある文字を右から読むと”八日”と書いてあります。これは○月八日に亡くなった方が記されていることになります。
実際戒名の左に”八日”の文字が確認できますね。年や月に関係無く、8日に亡くなった方をこのページに書きます。このように過去帳は一日~三十一日まで書いてあるので、同じ日にちのページに書くようにします。
そうすることによって、月命日が一目で分かるようになります。
中には日付が入っていない過去帳もあるので、その場合は昔の方から順番に書いていけばOKです。
位牌に書いてあることを過去帳に記載することで、過去帳1冊で先祖の位牌の内容が記録できます。
その過去帳は仏壇に置いてもいいですし、引き出しにしまってもいいと思います。
ちなみに位牌だけを処分する際は魂抜きの儀式は必要ありません。
位牌の整理の仕方の一例を纏めると、
①現在法要を行っている方の位牌と行っていない方の位牌に分ける。
②法要を行っている方の位牌は今まで通り仏壇に安置
③法要を行っていない方の位牌の内容を1冊の過去帳に記載する
(必ずしもお寺さんに頼む必要は無く、どなたが書いてもかまいません)
④法要を行っていない方の位牌の供養、処分をお世話になっているお寺さんに相談
(お寺さんに断られたり頼めるお寺さんが無い場合は仏壇店等で相談)
という流れになります。
弔い上げが終わっていない位牌が必要ない場合は?
弔い上げが終わっている方の位牌の処分に関しては上記の方法で問題ありませんが、現在法要が続いている人の位牌を無くしたいと思っても、勝手に無くすようなことは避けたほうが無難です。
お寺や親族とのトラブルの元になります。
後継ぎが居ない等の理由でどうしても処分したい場合は、お寺さん、親族に相談した上で、お寺さんに永代供養をお願いする形がいいでしょう。